批判的経営学のススメ

批判的経営学は、批判的思考(クリティカル・シンキング)とも関連がある。

  • 批判的思考は、既存の社会構造や経営施策に対して「疑問を投げかけ、批判し、挑戦する」ことの価値を強調する。何事に対しても「本当にそれでよいのか」「間違っているのではないのか」という疑問を投げかけ、批判し、挑戦する。
  • 批判的思考による疑問、批判、挑戦は、自分自身にも跳ね返ってくる。そうしている自分自身、あるいは自分の行為なども批判の対象となる。
  • 経営の現象を理解するのに、原理原則に還元してしまってよいのか。そうすることによって見落とすことは無いのか。文脈も含めて対象となる場面を塊としてまるごと分析対象として捉える必要があるのではないのか。つまり、経営学といっても、客観的、原則的、科学的、還元主義的なアプローチで理解しようとしても、重要なことを見失う可能性があり、ある経営現象を分析するには、一般原理によって理解される個人行動の集合という表層的な理解にとどまらず、集団現象そのものに潜む文脈特殊的な政治的、感情的、倫理的意味を深く掘り下げて分析していくことも重要なのではないだろうか。