コンサルティング会社で学んだこと

高島(2012)は、オイシックスを創業する前、マッキンゼー・アンド・カンパニーというコンサルティング会社で働いていた。高島はそこで学んだことをいくつか紹介している。例えば、「何をやったらいいかわからない」ときにどこから手をつければよいかというノウハウである。


その方法とは、目の前の状況を俯瞰して、解くべき問題を明確に設定し、その問題を細分化して小さな問題にしていく。つまり、目の前にある大問題を、小問題にする。小問題に分けることによって、何が分からないか、分かるために何をすればいいかが考えられるようになると高島は解説する。これはベンチャー経営者として一番重宝することになったという。なぜなら、ベンチャーをやっていると、基本的に何からやっていいかわからないことだらけだからである。前例もなければマニュアルもない。しかも、分からないからといって立ち止まっている余裕は一瞬たりともないのである。


また、良い仕事をするためには、オポチュニティ(機会)を得る必要があるが、高島は良いオポチュニティを引き寄せるために2つのことを心がけていたという。1つは「社内の誰にも負けないジャンル」を意識して作ることである。高島の場合は「インターネット」であった。2つ目は、社内での自分の評価を少し「操作」することである。自分の評判が高まることにより、良い仕事が舞い込んでくるわけである。


さらに、「駄々をこねてまでチャンスをつかんだ」経験を通じて、オポチュニティは能力と気概を持って自分からとりにいけばよい、すなわち「会社の中で主体的に取り組んでいけば、自分が思った以上に、自分が変えられることは、大きいのではないか」と言う。


その後、高島は、オイシックスを創業し、綱渡りのような経験、紆余曲折を経て現在に至るわけであるが、ここまで無我夢中で走り続けてきたのであろう。「人生における最大のリスクは、何も夢中にならないまま人生が終わるリスクだ」という。今、モチベーションが上がらないという人は、これまでの人生を思い返し、自分が何に夢中になっていたかを思い出し、分析し、そのエッセンスを抽出してみてほしいとアドバイスする。