アイデア創出のメカニズム

倉下(2011)は、ジェームズ・アレンの著作「アイデアの作り方」を参照しつつ、アイデア創出のメカニズムについて、その2つの原理を説明している。


1つ目の原理は、「アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせ以外の何物でもない」ということである。つまり、無から有が生じるというよりは、すでにあるものを組み合わせることで新しいものが生まれるということである。よって、既存の情報の持ち合わせが多ければ、新しいアイデアが生まれる可能性が高まるということである。できるだけ多様でかつたくさんの情報すなわち素材を収集することが重要だということである。


2つ目の原理は、「新しい組み合わせを作り出す才能は物事の関連性を見つけだす才能によって高められる」ということである。一見すると関係のなさそうな2つの素材の間に共通点を見出したりすることが、新しいアイデアにつながるということである。これは「発想力」が、物事の関連性を見つけ出す能力であり、その能力は鍛えることができることも示唆している。


倉下は、必要な情報を取り込んでおいて、いつでも参照できる環境があれば、知的生産を効果的に行うことができるいうのである。そして、クラウド・コンピューティングにおけるその最適なツールがEvernoteであると論じている。