ニュートンとアインシュタインの驚異的な功績

竹内(2004)の説明によれば、ニュートンの偉大さというのは、「リンゴが落ちるという特殊事例を宇宙全体にまで一般化」したことにある。ニュートンが構築した物理学のモデルによって、実際に人間を乗せたロケットを月に着陸させることができたのである。


世の中のほとんどのことが、ニュートン力学で説明がつくことがわかった。しかし、ニュートンのモデルにも限界があった。それは、絶対時間、絶対空間といったように、絶対的で客観的な座標系を仮定したことと、遠隔作用の原因が説明できなかったことである。絶対的な座標系の存在を否定することによって物理学に新たな地平を切り開いたのが、アインシュタイン相対性理論であった。


そして、アインシュタインの有名な「E = mc^2」が出現する。これは、質量とエネルギーの変換公式で、c^2というのは、光速の2乗である。これを用いると、1グラムのウランがエネルギーに変換されれば石油2000リットル分のエネルギーが放出され、化学エネルギーの100万倍以上の効率になることが導かれる。この数式から、原子力発電や原子爆弾の発想が出てくるのである。逆に言えば、アイシュタインの発見がなければ、原子力という発想など出てくるはずがないのである。