丹羽(2008)は、商社マンとしての人材を見極める基準は3つだという。1つ目は、自分の意見をはっきりと言える人。2つ目は、お客様からの評価が高いということ。そして3つ目は「金の匂い」がするかどうか。3つ目は、特に商社の営業マンには必要な要素だという。言葉ではうまく説明できないが「官庁にはまず金の匂いのする人はいない」と言う。金の匂いがする人は、ずっと儲けているという実績があって、新しい仕事を作り出したりして積極的に儲けようと貪欲であること、そして、どこから来た金がどう使われているのかをしっかりと把握している、すなわちお金の流れについてしっかりと管理している人であると言う。金の管理能力のある人である。
また、丹羽は、経営は実務を行うこととは異質のものだと言う。経営は、どうやってお金を設けるかということよりも、もっと大切なポイントがある。それは、経営管理、すなわち人を動かす力や、組織を改革する力といったものである。また、企業が伸びる条件は、ずばり「人と技術を持っていること」だと言う。優秀な人材と優れた技術があり、優れた経営者がそれをうまくマネジメントできれば、鬼に金棒ということであろう。