クリエイティブ・チョイス(創造的選択)を可能にする方法

堀内(2009)は、最善の答えが見つかるための創造的選択のヒントをいくつか提供している。例えば、「目的から考え下ろせば、選択肢は広がる」という視点だ。


目先の目的を実現するための策が浮かばず、煮詰まってしまったりするときがある。あるいは選択肢が広がっていかない場合もある。そうしたときは、一段と高い目標から見下ろすのがよいと堀内は言う。つまり、究極の目標は何なのか。それを実現するためのステップとして、目先の目標があり、その手段を考えているわけであるが、究極の目標から見下ろせば、そこに至る道筋はもっとたくさんあるはずだ、というのである。そこから、クリエイティブな代替案が出てくるかもしれない。目先の目標とそこに至る到達点のみを考えていては、自ずと思考の枠が狭くなってしまうというわけである。暗黙に設定している目的を再定義することが大切なのだ。


また「試して学ぶ」という「発見戦略」も大切だと堀内は指摘する。具体策を実際に試すことで、いろいろとわかってくるし目標も明確になってくる。そこでは、偶然性も味方につける。「布石を打ち、機会を観察し、積極的に活かしていくことで、望ましい偶然の確率は高まる」という。そして、発見や学びのためには「失敗」は不可欠であるという考えを持つ。つまり、失敗を恐れず、むしろ失敗から何が学べるのかに注力するわけである。失敗という「見えているリスク」をあえてとることは「勇気」であり、ハードワークである。そのためには、小さなチャレンジを繰り返し試すことも重要である。