偶察力(セレンディピティ)を高める

澤泉(2002)は、セレンディピティを高めるいくつかの方法を紹介している。まずは「感動と観察」。好奇心と興味をもって「不思議を追求する姿勢」でいれば、いろいろと観察しているうちに、面白いことに気づき、感動する。感動すればもっと観察しようと思う。このような感動と観察の相乗効果も得られる。観察力を向上させるには、定点観測・定点観察をしたり、いくつかの観察視点を決めておいたり、相手の立場から見るなど、立場を変えて見るなどのテクニックがある。普段何気なく見過ごしていることから、気づきや予期せざる発見が得られたりする。


オヤっと思うような事象、現象にあったならば、必ず記録やメモして、ネーミングする。書き留めた記録やメモは、放置しない。異なった環境で見直してみることによって、視点が変わり、新たな気づきが得られるかもしれない。整理し、検索しやすくしておくことも大切である。わかりやすいネーミングをしておくと、後で情報交換したり議論したりするときに役立つ。


興味のある事象が見つかったら、それを課題として認識し、頭(右脳)に叩き込み、潜在意識下でもその課題に取り組めるようにしておく。そうすることで、意識していなくても、関連事象が目の前に現れたときに「ひらめき」を得るチャンスが増える。課題は集中して考えることも大切だが、時には大所高所から広く見渡す。風呂場やカフェなど、自分なりに発想力が高まる場所を見つけておき、活用する。さらに、行動範囲を広げれば、思ってもいなかったような異分野からヒントを得ることができる。連想の範囲を広げることも大切である。一見すると関係のなさそうな事象がつながってくるかもしれない。