算数脳は人生を切り拓く力

高濱(2006)は、社会人として活躍している人は、算数脳が育っているという。算数脳が発達している人は、例えば仕事で作業を行う場合でも、「その作業に何の目的や意味があるのかを考え」「常に創意・工夫をこらし」「他の人が思い浮かばない発想を思いつき」「主体的に考えないと気がすまない」態度で臨むからである。そのような人は、当然大きな役割を任され、それをこなし、しかも自分の力で道を切り拓いていくことができるという。


算数脳は「見える力」と「詰める力」からなる。見える力があると、試行錯誤を通じたり、直感や閃きによって、何かを発見する力がある。それが、クリエイティブな問題解決や、革新的なアイデアにつながる。詰める力があれば、理詰めでとことん考え、最後までやりぬくことにつながる。見える力で閃いたアイデアを、論理的に裏付けることができる。ビジネスでいえば、攻めの発想力と守りの論理的思考力の両方が、算数脳に含まれていることになるのである。