退屈こそ人生最大の楽しみ

池田(2006)の一節より。

退屈こそ人生最大の楽しみである。・・・例えば、夜になってベランダに出て満月をボーッと眺めてみる(満月が出てなければ半月でもかまわない)。よくみると月には様々な模様が見える。昔の人はウサギがもちつきをしていたという。ほうとため息をつきながら月を見ている。すると雲が月にかかって形を微妙に変えながら走り去っていくのが見える。二時間見ても三時間見てもあきない眺めだと思えれば、退屈は人生最大の楽しみになるだろう。
・・・だまされたと思って、一度、ひたすら退屈になって自然の声に耳を傾け、自然の営みを眺めてみよう。誰ともつき合わなくても、お金がなくとも、人生最高のぜいたくを味わうことができるのである(p98-100)。