知の遠近法

石原(2008)は、思考のための座標軸を持つことの重要性を説く。まず、思考の基本となるのが「二項対立」や「二元論」である。二項対立を使った思考法は、現代的というよりは、近代的な思考法ではあるのだが。例えば、あるテーマを考えるさいには、その反対の概念を考えてみる。両極端を考えてみると、それを結ぶのが座標軸となる。こういった座標軸をたくさん持つことが「教養」である。そして、教養とは知の遠近法のことだとも石原は言っている。


二項対立を用いた評論の仕方としては、一般的には上に挙げた言葉が現実を肯定的に表すのに用いられ、下に挙げた言葉が現実を批判的に表すのに用いられる。よって、上の言葉に価値をおくと保守的な評論となり、下の言葉に価値をおくと進歩的な評論となる。