目標の大切さ、失敗の大切さ

柳井(2006)の自伝的著書の中に、目標の大切さ、失敗の大切さを説明した箇所がある。

ぼくは社員に「高い志や目標をもて」とよくいう。人は安定を求めるようになるとそこで成長が止まってしまう。高い目標を掲げて、それにむかって実行努力することこそ重要なのだ。目標は低すぎてはいけない。到底無理だと思える目標でも、綿密に計画をたて、それを紙に書き、実行の足跡とつねに比較し、修正していく。そうすれば大概なことはうまくいく。大切なのはあきらめないことだ(p58)。

失敗は誰にとっても嫌なものだ。目の前につきつけられる結果から目を逸らし、あるいは蓋をして葬り去りたい気持ちにもなるだろう。しかし、蓋をしたら最後、必ず同じ種類の失敗を繰り返すことになる。失敗は単なる傷ではない。失敗には次につながる成功の芽が潜んでいるものだ。したがって、実行しながら考えて、修正していけばよい。危機につながるような致命的な失敗は絶対にしてはならないが、実行して失敗するのは、実行もせず、分析ばかりしてグズグズしているよりよほどよい。失敗の経験は身につく学習効果として財産になる(p83)。