人間関係が生み出すチカラ

藤原(2007)は、ヒトとの関係が豊かな人生を送っている人。つまり「なんとなく、味方が多い人」、もっといえば、ヒトに対する感受性が豊かで、困ったときに助けてくれるヒトが多く、なぜか周囲の引き立てがあって本番にも強く、さまざまな人間のネットワークによって背後から支えられているようなヒト、になるにはどうしたらよいのかのヒントを提供している。


例えば、自分ネットワークを作っていくとっかかりとして「問いかける」ことの重要性を説く。コツは「相手が話したがっている内容」を聞くことである。聴く姿勢を持っていることが大切だということである。「たとえ話」がうまくなると会話が弾む。「たとえ話」は、弾まないボールに空気を入れるものだと藤原はいう。


失敗談から自己紹介を始めるなど、マイナスイオンを出しつつ、自分の身の回りで起こった身近な話題で、例えば自分の心が動いた体験など、自分らしい体験を話すことも、印象を持ってもらえるコツである。「面白い話は圧倒的に体験談」なのである。ちなみに、藤原のいう「マイナスイオンの法則」とは、短所や弱みでつながった人間関係は長持ちすることを示している。また「人に伝えたくなる話」つまり、話した相手が思わず同僚や友人に語ってしまいたくなるような「!」を含む話題を1つ混ぜてみるのも効果的である。


藤原は、情報編集力も重要だという。例えば、知り合いの情報を集め、キャラを把握する。そして、いろんな組み合わせを楽しむ。自分と他者だけでなく、他者同士もつなげていく。レゴブロックのように異なる特徴を持つ人たちを組み合わせていくことで新しいものが生まれる。そうすることにより、自分ネットワークのシナジー効果が高まり、価値が創出されると同時に、人と人との出会いの演出家にもなれるのである。