超並列読書で地頭力を鍛える

成毛(2008)は、人を採用するときに「地頭が良いかどうか」の第一印象で決めると言う。時頭がいいかどうかは、こちらが話したことを理解するスピードや、こちらが使った言葉を瞬時に別の言葉に変換する能力があるかどうかで見分けられる。つまり、知識や常識そのものというよりは、それらを自在に操るための素地であるゆえ、地頭がよければ柔軟性があり創造力も高いので、革新的なことができる。


地頭は生まれつきの部分もあるため、今自分が持っている地頭を使いこなす訓練をすることによって活躍の度合いが高まる。その訓練に打ってつけだと成毛が主張するのが、幅広いジャンルの本を同時に読む「超並列読書法」である。なるべくバラバラなジャンルの本、また極端な本を、10冊以上同時並行的に読む。


超並列読書によるメリットは計り知れない。そもそも読書はすればするほど知識が増える。しかも幅広いジャンルである。異なるジャンルの本を並行的に読むと、脳の異なる部分が刺激される。極端な本も読めば一般人では考え付かないようなアイデアの素にもなる。また、同時並行でスピーディーに読み進める必要があるから、重要な箇所を拾って読める。そのためのモチベーションや集中力が鍛えられる。また、すきま時間の活用ができる。そして超並行読書は能動的である。情報を能動的に取捨選択し、組み合わせていく。つまり、速く、深く、多く読める。


超並列読書をすれば、幅広いジャンルの本を同時に読み、異なるベクトルの情報を組み合わせる作業を繰りかえすので、相手が話している話と自分がすでに知っている話を組み合わせて理解する作業が自然にできるようになるし、同時にそれらをわかりやすい言葉に変換するための語彙力も高まってくる。つまり、超並列読書によって、豊富な知識と語彙力、理解力、コミュニケーション力が身につく。つまり、地頭が高く、一目置かれる人材として周りから認められるだろう。