過去の思い出と将来への希望

過去を振り返ってばかりなのは、前向きに生きていない証拠と思うかもしれない。しかし、過去の思い出に浸ってみるというのは、人生の活力を得るうえで重要な意味がある。


過去の思い出に浸っていると、幸せな気分になるときがある。たいていそれは、過去に自分がした経験のうち、とくに楽しかったこと幸福感を得られたことであるに違いない。「あの時、ああいった美しい場所にいって、楽しかったなぁ」「なつかしいなあ。またあの頃に戻りたいなあ」と、ビジュアルにそのときの思い出を懐かしむ。嫌な思い出もあるかもしれないが、わざわざそうして苦しむ必要もない。意識的に楽しかったこと、幸福感を感じたことを思い出してみる。


そして、それは同時に、またあのような幸福感に浸ってみたい、あるいはその思い出以上にもっと素晴らしい幸せを見つけたい、というように、自然と、未来にむかった夢や希望を描くことのエネルギーにつながるはずである。楽しかった当時に物理的に戻るということはできるはずがない。しかし、そのときと同じくらい、あるいはもっと楽しい思いができるチャンスが、必ず未来のどこかにあるはずだということに気づかせてくれるのである。そしてそれは自分から見つけ出すもの、作り出すものだということも教えてくれる。つまり、過去の出来事を思い出して懐かしがることをきっかけにして、また同じような、もしくはさらに素晴らしい経験をしてみたいという、未来に向けて元気がでてくるような夢や希望を持つことができるのである。


だから、積極的に楽しかった過去の出来事を思い出し、しばしの間その思い出に浸ってみよう。