ビジネスリーダーに求められるネットワーク力


ビジネスリーダーとして成功する大きな要因を占めるのが、ネットワーク力である。なぜならば、リーダーとしてのポジションに近づくほど、自分自身が仕事をするのではなく、大勢の人の仕事によって成果をあげることが必要になってくるからである。だから、内外に数多くの有力な人的ネットワークを持ち、そのネットワークを最大限に活用して、つまりいろんな人に協力してもらいながら、仕事をしていくことがビジネスリーダーには求められるのである。


ネットワーク力というのは、「人的ネットワークを構築する力」と「人的ネットワークをうまく活用して価値を生み出す力」の両方を指す。人的ネットワークを構築する力がなく、公式な権限だけで組織の人々をうまく動かして成果をあげていくことは難しい。それを超えたネットワークが必要である。また、たくさんの人々とのネットワークをもっていたとしても、それらの人々に働きかけ、実際に動いてもらい、その結果として価値を生み出すことができなければ、成果をあげることができないのである。


インシアード経営大学院のイバラ教授によると、人的ネットワークは3つの種類に分類できる。1つめはオペレーショナル・ネットワークで、実際に仕事をしていくうえで必要な人的ネットワークである。オペレーショナルなネットワークをつかいこなす力が重要なのは、人を動かして成果をあげるビジネスリーダーに必要なのは当然である。


2つめは、パーソナル・ネットワークで、仕事には直結しないが、将来なんらかの形で生きてくる人的ネットワークである。例えば、プロフェッショナルであれば、同じプロフェッショナルとの広範なつながりを持つことによって、自分の実力のベンチマークとして、最新の知識やスキルの獲得の手段として、自分自身のキャリア・アップやキャリア・モビリティの機会として、長期的には必ず役に立ってくるネットワークである。


3つめは、ストラテジック・ネットワークで、これは企業内外の人的ネットワークを駆使して、業績にむすびつく価値をあげるものである。つまり、自分が有している社内外の人的なつながりを「戦略的」に用いることによって、新たな価値を生み出す能力ということで、高度であって、かつ多くの人々が苦手としている分野である。


参考:http://www.insead.edu/podcast/knowledgecast/library.cfm