外向きの人事管理の出発点


まず、顧客が自社の社員にどうあってほしいのか。何を求めているのか。という、顧客の視点から見た人材像である。もちろん、この視点に直接的に影響するのは、フロントラインに立つ現場の人々であろう。しかし、その後方部隊としての間接部門についても影響する。顧客にもっとも近い従業員が、顧客の求める姿になるためには、後方部隊の従業員がどんな姿でいなければならないのか、という点である。


もし、サービス業を営んでいる企業であれば、サービスが商品そのものなので、顧客の望んでいる人材像と、商品力とはさらに直結する。製造業であっても、従業員の行なうサービスが、顧客の便益や満足にかなりの影響を与えるはずである。


このように、外部の顧客が求めているような人材をそろえるために、そんな人材に育ってもらうために、あるいは顧客の求める行動をきちんとできるように、人事部門はどのようなことをしなければならなのかを考えるのが、外向きの人事管理の出発点となるのであろう。