日米比較といっても、NYCと首都圏や大阪といったレベルなのだが。
通勤帯に電車に乗って周りを見渡すと、イスに座っている人の8割強が目をつぶっている。だいぶん記憶が薄れてきているので正確かどうかわからないが、ニューヨークの地下鉄とかだったら、座っている人のほとんどは目を開けていたと思う。
この日米の違いには少なくとも2つの解釈が可能であろう。
1つは、日本人のほうがアメリカ人よりも圧倒的に疲れているということだろう。だから、とりわけ通勤途中の社会人の場合、電車で立っている人以外はイスに座れば眠ってしまうということだ。とにかく忙しくて睡眠時間も削るくらいだから、貴重な睡眠時間なのだろう。日本人が忙しいというのは確かにそうだと思う。忙しいということが美徳であり、忙しくないと罪悪感すら覚える。
2つめは、日本人のほうが、電車の中で安心しきっているということだろう。本当に安全かどうかは別として、家にいても外にいてもほとんど緊張感が変わらないのは異常とも思える*1。アメリカでは外を歩いているときはまず無意識的に身構えている。地下鉄で眠るということは、自分を危険な状態にさらすことに等しい。どれだけその確率があるのかはともかく、いったん外に出たら、気をつけないと何かあるという考えが一般的である。実際、私がニューヨークの地下鉄に乗っていたときも、刃物を持った男をホームで見たり、友人は自分の隣に座った男が突然日本刀のようなものを抜いて友人になにやらしゃべりながら見せびらかしていたくらいだから。流石にそんなところでやすやすと眠れんでしょう。