勉強のススメ

堀(2011)は、これからは「学歴社会」ではなく「学習歴社会」になるという。不況は弱者にはとことん冷たい。勉強して能力を高めなくては生きていけない。つまり、生き残るために学ぶ必要があるというわけである。


逆にいえば、勉強とは多くの時代において弱者が現状突破を図るための唯一の手段だというのである。福澤諭吉の「学問のススメ」がベストセラーになった理由もそこにある。つまり、勉強は「自分が望む場所にまで自分を連れてってくれる魔法の杖」であると堀はいう。


勉強するさいに最も重要なのは目標である。目標が定まるとやるべきことが具体化する。人生で成し遂げたい「大目標」、それにつながる10年くらいのスパンの「中目標」、それにつながる1年くらい先の「小目標」が定まれば、自己実現はなったも同然。あとは粛々とその目標に向かって精進すればよいという。


さらに重要なのが「一点差別化」と「マイナー志向」だという。自分が得意とする能力に集中してそれを長く続けることで伸ばす。「一点で光っている人」は不況に強い(失業しない)という。また、花形産業、花形部署は「損」だという。マイナーな世界、狭い世界であるほど、少ない努力や勉強で一流になれる。1つの分野を極めれば、それを活かす道は必ずあるというのである。