チャンスを掴み取るための「空白」仕事術

美崎(2010)は、仕事ができる人はみな「あそび」を持っているという。ここでいう「あそび」とは、娯楽としての「遊び」ではなく空白としての「余裕」とか「余白」である。それは、チャンスが来たときに、ちゃんとそれに対応するためのものであるという。


美崎によれば、すべての仕事は予想外の状態でパスが飛んでくる。普段の仕事の枠をはみ出て、やりたい仕事ができるチャンスも突然やってきたりする。そのときに余裕のない状態でいれば、チャンスを掴み取ることができない。であるから、あらかじめそういうことを予測して時間を空けておくということである。チャンスは準備をしている者のところにやってくる。準備をしておけばそのチャンスを掴み取ることもできる。


その奥義はシンプルである。例えば、一週間のうち一日は、仕事のアポイントをいれない日を作っておく。1週間のうち20%を、何もしない時間としてあけておく。チャンスに対応できる時間をあらかじめ確保しておくというだけの話である。空白すなわち「バッファー」を作っておけば、そこで新たなスキルを身につけるための投資時間としても活用できる。


もちろん、それを実現するためには工夫が必要である。仕事のやり方を再設計して生産性を高める。必要のない仕事を洗い出して、それらをやめる。できる人に仕事をどんどん頼んでいく。時間だけでなく、ワークスペースの20%を空けておくなど、空間的なバッファーも作っておく。ボトルネックをみつけ、その解決策を講じるなどである。