成功のための教え

吉川(2009)は、ユダヤ人の「タルムード」の教えを紹介している。例えば「他人と違ったものを発見せよ」「生涯にわたって学び続けよ」「金は奪われるが身に着けた知識は奪われない」「知識より知恵を重視せよ」「相手の話は自分の話の2倍聞け」「逆境こそチャンスと考えよ」「もっとも大切なことは研究ではなく実行だ」「ある人は若くして老い、ある人は老いても若い」「お金より時間を大切にせよ」「弱者に奉仕せよ」「家族を大切にせよ」というものである。


ユダヤ人はメソポタミアユダヤ王国を追われて以降、20世紀半ばまで安住の地を得られなかった民族で、いつ富や財産を奪われるかもわからない不安が、逆に絶対に奪われないものを身につけようという発想を生み出し、それが子供たちへの教育として脈々と受け継がれてきたと吉川は説明する。


吉川は、生涯にわたって学び続けることこそ、最も大切なことだという。仕事で得る知識や経験に無駄なものは何もないし、学び続けることを生活習慣にするのが一番だという。そして成功するためには思考の壁を破ること。絶対に成功すると思い込むことである。強く思う、信じることによって潜在意識にしみこませるのである。それが行動力につながり、成功につながる。そして、成功したければ徹底的に遊ぶことが大切だと吉川は言う。好きなことをしていると人とお金が寄ってくる。ストレスから解放されれば毎日が楽しくてしかたがなくなるという。


また、本書のタイトルが示唆するところは、お金持ちになりたいのは多くの人が思うところだが、日本で大富豪を目指すほど損なことはないということである。むしろ、人生好きなことをして小金持ちを目指すのが一番なのだと著者は言うのである。