孫子の兵法を俯瞰し実践に役立てる

福田(2004)は、孫子の兵法13編を分かりやすく解説している。13編のポイントをつかむことによって、大局的な見地から、実践に役立つ孫子の兵法のエッセンスを理解することができる。


最初の「1.始計編」では、まず始めに状況・実情を把握することの大切さを説いている。「2.作戦編」では、戦いを始めるにあたっての心構えを解いている。そして「3.謀攻編」では、兵力を使う前に、謀略をめぐらせて「戦わずして勝つ」ことの重要性を説いている。


「4.軍形編」では、必ず勝てるように軍隊のありようを準備することの重要性を説いている。戦う前にすでに勝敗が決するような形に持っていく。「5.兵勢編」では「勢い」をうまく使うことを強調する。丸太を坂で転がすように、リーダーは兵士に自ずと勢いがつくように工夫するわけである。「6.虚実編」では、敵の強いところを避け、弱いところを攻めることの重要性を示唆している。そして「7.軍争編」では、自分が主導権を握ることの重要性を説いている。


「8.九変編」では、状況に応じて臨機応変に動くことの大切さを教え、「9.行軍編」では、軍隊をうまく配置し、動かし、敵の実情を見抜く術を教える。そして「10.地形編」では、うまく地形を利用し「地の利を生かす」ことを教えている。


「11.九地編」では、状況に応じてふさわしい戦法を使う「九地の変」、不利なら待機し有利なら行動する「屈伸の利」人は追い詰められたら必死になることを利用する「人情の理」を教える。「12.火攻編」では、やむをえず開戦したときに激しく攻める方法を、そして「13.用間編」ではスパイを使いこなして「先に知る」ことの重要性を強調するのである「13.」