大事なことはすべて記録する

鹿田(2009)が提唱しているのはシンプルに2つだ。1)あらゆるツールを使って記録する。2)整理・分類・ファイリングはしない。要するに本のタイトルそのままで「大事なことはすべて記録しなさい」ということだ。大事なことをただひたすら記録することの重要性と、それを効果的に行う方法を説いている。


何でもかんでも記録して、日付を入れる。それだけで整理・分類する必要はない。時系列の情報さえあれば、手間がかからず検索しやすいわけである。大切なのは、記録したものを読み返す作業である。「記録」を読み返すことは、書くことと同じくらい重要であると鹿田は強調する。


鹿田は、記録することの6大メリットとして「再現」「証拠」「熟考」「俯瞰」「伝達」「蓄積」を挙げている。まず、記録しておくことで、後で読み返せたり、整理してマニュアル化できる(再現)。また、記録があればトラブルの回避にもなり、実績を示せる(証拠)。さらに、書くという行為自体が、考えることや記憶を手助けする(熟考)。また記録し続けることで趨勢や変化に気づくことができるし、スピードもついてくる(俯瞰)。記録によって正しく速く伝えることができるようにもなる(伝達)。最後に、記憶に頼らず、記録しておくことで、忘れる心配なく思考に集中することができる。