文章力をつけるヒント

日垣(2006)は、「プロの手の内」として、稼ぐ文章力を身につけるヒントをいろいろと紹介している。例えば、文章を書くということは、謎解きと同じようなものである。つまり、何か切実な問題を設定し、それを文章の中で解いていくというようなものである。そのような展開において、読者に立ち止まってもらいたいときは、文章の中で疑問を投げかけたりする。そもそも、問題提起と、全体を締める最後の言葉を決めなければ文章はまとまらない。文章の結論をやや飛躍させることによって、読み手に「考える余地、考える快感」をもたらすことも締まりをよくするテクニックであるといえる。


また、文章が面白いということは、ひとことで言えば意外性があるということでもある。つまり、意外性をもった書き出しと文章運びがなされていることが、おもしろい文章の実態なのである。よって、タイトルや引きこみ部分は重要であり、文章のキャッチフレーズをきちんと決めることも必要である。意外性という面で言えば、本来結びつかない2つのことを結びつける文章は面白い。本来無関係な2つのことを結びつける力こそ文章力であるといえる。


良い文章を書くために、観察力を磨くことも重要である。観察力があるかどうかは、文章力があるかどうかとイコールの関係だと言ってもいいのである。