IT化が、グローバル化とともにもたらした仕事革命というのは、仕事を集約し、その仕事をうまく分解し、分解された仕事をグローバルな視点から、それをこなすのに最適な人々に分配することによって、もっとも生産性を高めることを可能にしている点である。
従来の仕事というのは、付加価値の低い部分と付加価値の高い部分が混在しているのが通常で、例えば高度な判断が必要な部分から、ルーチン的な部分が含まれていた。それを、サラリーマンが1人でこなすということが普通であったのである。
中堅や管理職クラスになれば、面倒な部分、例えばコピー取りなどを事務職にお願いすることはあった。しかし、コピー取りを日本人のフルタイムワーカーにさせることは、実は非常に高コストである。
現代のビジネス社会では、ITが発達したため、地理に関係なく世界のあらゆるところに仕事を配分することが可能になっている。かつ、仕事の集約も可能なので、集約した仕事を、付加価値の高い部分、付加価値の低い単純作業などにうまく分解し、単純作業のみを集約した大量なタスクのパッケージを作成し、それをオフショア(海外の低賃金かつ単純作業が可能な人材)に送り込む。そこで作業が行なわれ、出来上がったアウトプットが再び別のタスク成果と結合されるわけである。
このような仕組みが可能になったため、単純作業は最も低コストな地域に、高度な能力が必要な作業は、そういった人材が集積している地域にといったかたちで最適配分が可能になり、費用対効果的にもっとも生産性があがるようになるのである。