ニート

労働政策フォーラム 2004年11月17日(水)開催報告

ニート若年無業者の実情と支援策のあり方を考える ― 」

http://www.jil.go.jp/event/ro_forum/giji/g20041117.htm

なぜニートがこれほどまでに増えたのでしょうか?ニートになる原因は人それぞれ違いますから、一般的な答えはありませんが、敢えて挙げるとすれば次の3点でしょう。まず、不況の影響です。厳しい就職戦線のなか、理由も分からず立て続けに面接や試験に落ちると、自分は社会から必要とされていないのではないか、と思ってしまう。そうした中でニートになることは大いに考えられます。また、自己実現や個性をあまりにも重視する学校教育のあり方と関係があるかもしれません。やりたいことを見つけなければ、あるいは自分に個性がないといけないと考え込み、働く意味を見出せずにいる若者も少なくないと思います。最後に、家庭環境や地域の問題です。現在、子供たちが、親や学校の先生以外の大人に接する機会が非常に少ない社会・地域になっています。ニートのなかには、ちょっとした挨拶をすることさえかなりのエネルギーを必要としたり、人と交わることに緊張や恐怖を覚える人がいると言われます。家庭や地域における人間関係、コミュニケーションの変化もニートの遠因のひとつとして考えられるかもしれません。

大学や高校を卒業した直後の若者に問題が生じていると見られます。バブル崩壊による不況の影響と日本型雇用慣行の変化により、これまで機能を果たしてきた学卒就職の位置づけが変わり、一部の有能な人しか正社員になれなくなってしまった。非常に厳しい就職戦線に晒されて、就職活動を続けられない若者が、この2つの層にあらわれているのではないかと分析しています。・・・


・・・日本でニートが生まれた背景には、近年の労働市場と雇用慣行の変化が挙げられますが、じつは90年代初頭、ニートは既に40万人近くいたという統計があります。高校中退や引きこもりなどの問題は、今まではごく一部の個人の問題として片付けられてきましたが、ニートが膨大な数に上るという事実が初めて表面化したことで、これまで社会的に対応してこなかった日本社会のあり方が改めて問われていると言えるでしょう。