ニートの問題


http://www.jil.go.jp/event/ro_forum/giji/g20041117.htm

キーワードとして、「刹那を生きる」、「つながりを失う」、「立ちすくむ」、「自信を失う」、「機会を待つ」という5つがあります(表参照)。

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対人不安の強弱度に差があると思います。引きこもりの中には、家から一歩も出ず家族としか話せないような人もいますし、ニートの中には、近くのコンビニや本屋くらいまで行動範囲が広がる人もいます。また心に病を抱えているかどうかで対応がまったく違うと思います。フリーターについては、以前、ヤングジョブスポットという若年者就労支援施設の運営を任され、フリーターの支援をしていたことがあります。ところが、提供するプログラムをすべて受け終わった後も仕事を探そうとしない人が出てきました。「明日、探すから」という言葉で先送りして、半年くらい何もしない人たちが増え、「このままではまずい」という危機感から、独自にプログラムをつくって運営しています。フリーター支援をしていたのに、気がついたらニートと言われる若者を支援しているのが現状です。

ニートになる人は、大学など高等教育を受けた人が意外に多いという現実があります。ちゃんと就職したい、やりたいことを見つけたいと思っている真面目なタイプなのですが、いざ卒業間近になると立ちすくんでしまう若者が多いのは、今まで高等教育機関が学生の気持ちに十分応えてこなかったからだと言えます。様々な形で産業界に出ていく自分というものを意識させる教育があると思いますが、日本の場合、これまで産業界が「白紙で来て下さい」と言っていたものだから、意識することは殆どありませんでした。大学教育は就職のためじゃないと言い切ってきた先生方が多いと思いますが、今後は、教育の中に産業界の現場が欲しているものを積極的に取り入れていくことも必要でしょう。今、多くの大学にキャリアセンターが設置され、良い傾向にあると思っていますが、キャリアのサポートというものは、基本的に就職担当者だけがやることではなく、教育の内容自体の問題ですから、残された課題はあると思います。