成果主義という言葉はアメリカにあるか

ある会合で表題のような話になった。異論はあるだろうが「アメリカに成果主義を指す言葉はない」とするのが適当ではないかと思う。


「○○主義」と言うからには、思想や信条のレベルの概念である。成果をあげた者が報われるという概念だろう。○○主義という言葉が出てくるのは、それに対立する概念があるからである。日本で言えば、成果主義というのは、年功主義があるからこそ、成り立つ言葉である。資本主義というのも、社会主義や封建主義があるからこそ、成り立つ。


翻って、アメリカを見るならば、「成果主義」という言葉を作るニーズが社会にない。つまり、成果をあげた者を報いようとするのは、アメリカでは基本の考え方であるからだ(もちろん、現実がそうかどうかは別であるが)。もちろん、ペイ・フォー・パフォーマンス(成果に応じた報酬)、メリットベース(貢献度に応じた)といった言葉はあるが、これらは、なにか会社や社会全体に浸透させようとするような思想や信条レベルの概念ではない。