金の採掘と精錬に学ぶタイムマネジメント

野村(2009)は、優れたタイムマネジメントは金の採掘や精錬に似ているという。タイムマネジメントで重要なのが、(1)仕事の効率化で短縮できた時間を、私生活の充実のためにも活かす。(2)時間の量だけを目標とするのではなく、時間の質にも気を配る、というものである。


金の採掘は、ムダな時間の削減に似ているという。つまり、一日の時間には、実際には金鉱のような時間に、余分な泥が大量に混じっている。採掘は、この余分な泥をふるいにかけて捨て、砂金上の粒を取り出すことである。金の採掘において泥を捨てる作業は、作業の効率化とともに質の向上にかかせない。ムダな時間を減らす努力も同じことである。


そして、上質な時間づくりは、金の精錬に似ているという。採掘した金は、そのままでは本来の価値を生むに至っていない。不純物を除いて純度を高める精錬が必要である。タイムマネジメントでいえば、精錬所での金の純度の向上は、時間の質の向上ということになる。


したがってタイムマネジメントは、時間資源の鉱脈を見つけ出して「価値ある時間」を選別することと、採掘した価値ある時間を精錬して「高品質な時間」を生み出すことだといえる。