最大のリターンを生む読書術

長野(2009)は、タイムマネジメントの視点から読書を考える場合、いくら速読をしたとしても最大リターンとはならないことを指摘する。読書に限らずさまざまな行為をするうえで大切なのは「目標」であり、目標を持ったときに、ROT(時間あたりのリターン)の質が劇的に変化すると説く。限られた時間に満たすべき目標があれば、どうやってそれを達成するか方略を考え、達成できるようにスケジュール調整するはずだ。目標がなければ、意味もなく時間を使ってしまうことになりかねないのである。


したがって、読書で最も大切なのは「目的・目標設定」である。目的・目標のない読書は何冊読んでも意味がないと喝破する。具体的には、読む前に次の3つを設定する。

  1. 読書の目的(何のために読むのか)
  2. 読書の目標(読むことによって何を達成するのか)
  3. リターン目標(読書による時間あたりリターンの目標を立てる)

このように目的と目標を明確にすることで、読書の効果は最大化するだろうと長野は言う。