道徳→科学→そして再び道徳へ

公正原理あるいは公平原理というのは、人間の道徳の重要な原理の1つである。


経営学における公正原理の追求のしかたとして、他の分野でもそうであるように、経済学的・科学的手法による接近
がなされた。道徳的な接近は、利益をあげ、企業を存続させるというどちらかというと合理的接近に近い経営学とはあまり相性がよくなかった。


つまり、哲学的・道徳的論議は、社会科学としての経営学には向かないとして、とりあえず、経済学との相性のよい、機会主義的・合理主義的接近からスタートした(後に、また道徳的な接近に回帰することになる)。


しかし、経済学的前提のもとで理論を組み立て、実証研究をしていくなかで、だんだんと、社会的・道徳的側面が無視できないようになってきた。結局、また道徳的接近に戻ってきた。そして、このアプローチのもとでは、CSRも、従業員に対する公正も、本質的に同等のものと扱われるようにさえなる(外に向けた道徳的公正か、内にむけた道徳的公正かという問題)。


また、組織行動論における3次元性にも着目したい。例えばコミットメントにおける3次元性。