就活本に頼らずに面接に勝つ方法

新卒採用では、学生が就活本でにわか勉強してきた受け答えばかりするので、みな同じに見えてくるという面接者の声をよく聞く。これは、企業にとっても学生にとっても不幸なことである。


学生が就活本に頼る理由は分からないでもない。なぜならば、面接などでどう対応すればよいか分からないから、知らないからである。知らないから、自分が常識に反した行動をとって落ちるのを恐れるのである。


しかし、就活本に頼らなくても、いや、頼らないからこそ、面接で成功する方法がある。それは何か。


そもそも、採用においては、自分より年上の、そして採用プロセスが進むほど、自分よりかなり年上の人と面談することになり、年上の人にどれだけ気に入ってもらえるかが勝利のポイントなのである。


だったら、普段から、同じ年代の人だけと付き合うことなく、うんと年上の人とも付き合うようにしていればよいのである。要するに、付き合う人のバラエティを普段から増やしておくことだ。老若男女、あらゆるタイプの人と付き合うようにしていれば、どんな人にはどのような態度で、どのような礼儀をわきまえればもっとも気に入られるかは、肌感覚で分ってくるものである。例えば、目上の人との接し方に失礼なところがあれば、付き合う人の幅が広ければ、誰かがそれを指摘してくれるだろう。そしてそれは、本を読んだりネットで仕入れた二次情報よりもはるかにレベルの高い知識なのである。


結局のところ、場数がモノを言うのである。場数を踏んで、失敗もたくさん経験して、相手に気に入られる方法を身体で覚えて、自分なりのスタイルを確立することだ。そうすれば「同じ人間に見えて困る」「またか」なんていう面接官のぼやきの対象にはならないだろう。