グローバルで成功している会社は実はローカルくさい

波頭・冨田(2011)は、業績が好調でうまく国際化が進んでいる企業の典型は、都会っぽくない会社が多いと指摘している。たとえば、YKKコマツはどちらも北陸に本社がある。トヨタもずっと豊田市に本社を構える地方の会社である。グローバルに成功している会社には京都の会社も多い。


実際に世界で活躍している会社も、実は「その国くさい」のだという。成功しているフランスの会社は、アングロサクソンのルールにのっていても、フレンチくさいし、フィリップスはいたってオランダくさい。エリクソンだってノキアだって北欧くさい。GEはほんとうに米国くさいし、IBMだって体臭プンプンだという。


日本が野球で世界に勝とうと思ったら、結局のところ日本くさい野球をやらないといけないのと一緒で、アングロサクソンルールの上に乗ってグローバルに戦うといっても、そこで匂う体臭すなわち「日本くささ」って何かということなのだという。結局のところ、成功している企業は、北陸くさかったり、三河くさかったりと、体臭がきついわけである。


その体臭とはいったい何で、その根本にあるのは何か。波頭・冨田は、「ウェイ(独自性)」だという。GEにせよIBMにせよ、トヨタにせよ、ウェイが強烈にある会社は、体臭がきついということなのである。