勝間流時間投資法

勝間(2007)が提唱する「時間投資法」とは、「より少ない時間で同じアウトプットを出すためにはどういう仕組みをつくればいいか」「中長期的な視点から、何に時間の投資をしておくべきか」といったことを軸に時間を使う手法である。つまり、将来を見据えて、あらかじめ「時間の投資」をしておくことで、成果を出しやすくする方法である。例えば彼女がベストセラー本を2週間で執筆できた理由は、成果を出すために必要な「部材」にあらかじめ「時間の投資」をしていたからだという。


同じアウトプットを出すために使う時間を節約できれば、生産性が向上し、自由に使える時間が増える。その時間を余裕のある生活のための時間として人生を愉しむために使ってもいいが、さらにその中の一部を「投資時間」として使うとさらに効果がある。つまり、一定の時間を時間づくりのために投資する。投資時間とは、将来に時間を節約するための取り組みである。時間に時間を投資することによって、さらに時間が節約できるようになり、さらに自由に使える時間が増えるということだ。時間当たりのアウトプットが増えるわけだから、年収の増加にも貢献するだろう。


時間を節約する例としては、経験則を最も単純化したルール・オブ・サムを活用することである。例えば、健康を維持するためには、食事に関しては「迷ったら魚。迷ったら野菜」というルールさえ決めておけば、献立や外食であれこれ悩む時間を節約できる。「早寝、早起き、朝ごはん」というルールを覚えておくだけでも健康的な生活を送れる。これ以外にも、時間の節約を可能にするルール・オブ・サムはたくさんあるだろう。


また、勝間(2007)は、間節約のためにITを味方につけることを強調する。「ITは給料のいらない専属従業員・秘書・エキスパートである」という言葉からもわかるように、ITを活用だけで何人も人を雇用して仕事を任せるのと同等あるいはそれ以上の時間の節約を可能にするのである。


ITを駆使するために勉強をしたり、仕事を自動化する仕組みを構築したり、仕事を効率化するさまざまな方法を試行錯誤したりすること自体は手間と時間がかかるが、それは将来より時間を節約させるために時間そのものに投資をしていることにほかならない。投資すればするほど後にそれがリターンとなって帰ってくるということである。