演習IIの進めかた

本演習「実践経営組織論リサーチ」の方針は、「習うより、慣れよ」なので、ミーティング・タイム以外の時間の実際にフィールドを駆け回ったり、文献を読み込んだりするリサーチ活動をすることが求められます。


週1回のミーティング・タイムはゼミ生全員が顔をあわせる場ですから、必ず出席することはもちろんのこと、ミーティング・タイムは、ゼミの運営の重要事項や、仲間同士のコミュニケーション、みんなで話し合うべきことの議論、各グループや個人のリサーチ活動の報告などにあてることになります。


今学期の「演習II」では、グループによる作業(グループプロジェクト)と、個人で行なう作業(個人プロジェクト)の2つを同時並行的に行ないます。4年生の「卒業研究」では、基本的には個人主体で、卒業論文に向けたリサーチ活動を中心にやってもらうことになります。よって、グループで行なう活動は、3年生の間のみとなります。そして、卒業論文の本格的な取り組みにそなえた個人作業もこなしてもらうということになります。

今学期の目標
個人目標
春学期の間に、個人プロジェクトとして、自分の関心のあるトピックについて何らかのリサーチを行ない、それに基づいて論文を一本仕上げる。そして、秋学期には、その論文を改善し、学生懸賞論文などに応募することを目標とする。
チーム目標
チームプロジェクトとしては、基本的にわたしから与えられるリサーチ課題をこなす。チームプロジェクトに取り組むなかで、個人のプロジェクトに有用な知識やスキルを身に着けていく。そしてチームワーク(助け合い)のセンスを高める。
全体目標
ゼミのメンバー全員が、同じくらいの度合いでゼミ全体の活動に貢献する。ゼミ幹事や特定の役職のメンバーのみ負担がかかるようなゼミ運営をできるだけ避け、全員が力をあわせてゼミを運営していくようにする。
留意点

どんな活動でもそうだと思いますが、特にリサーチ活動というのは、自分との戦いだと行っても過言ではないでしょう。楽をしようとすればいくらでも楽をできるし、自分の作品に納得がいくまで一生懸命研究しようと思ったら、毎日リサーチを続けたって時間が足りません。私が皆さんにはっぱを書けて、いろいろやらせることは簡単ですが、社会に出てからは、そんなことを親切にしてくれるひとはあまりいません(会社の利益のためにがみがみ働かせる上司はいても、それは必ずしもみなさんの将来にプラスになる活動とは限りません)。だから、それをいいことにてきとうに毎日を送ってさぼっている人と、がみがみ注意してくれる人がいなくても自分でどんどん勉強して前進していく人では、5〜6年もたつと大きな差が開いてしまいます。これは、学歴とか就職活動で希望の会社に入社できたか否かといったこととは比べ物にならないほど大きな差となって、人生の成功を左右するでしょう。


では、自分で積極的にどんどんやっていく人、適当にさぼりながら毎日をすごす人、この差はどこから出てくるのでしょうか。もともとの性格であるとか、習慣であるとか、いろいろな要因は考えられますが、1つ言えるのは「自分のほんとうに好きなことをやっているかどうか」だと思います。ゼミでやっていくリサーチに関していうならば、自分がほんとうに興味のあること、知りたいこと、深めたいことをリサーチのトピックに選ぶことが大切だといえるでしょう。


ゼミにおけるわたしの役割は、通常の講義のように知識やスキルを教える教員ではなく、みなさんが自律的にリサーチ活動を行なうさいのサポーターです。よって、主役はあくまでみなさんです。大いにゼミを、メンバー全員にとって有意義な場にしてください。そのためのさまざまなイベントは大歓迎です。


就職活動は、今からでも意識して毎日をすごしてください。これは、いまから面接対策など小手先のテクニックを磨きなさいという意味ではありません。大学時代に何をやったか、そしてそれを他の人に自身をもって語ることができるかどうかが、就職活動でもその後の人生でも成功と失敗を左右するといっても過言でないでしょう。ぼっとしているとあっという間に過ぎ去ってしまう今の大事な時期を有意義に過ごしてください。