見合い結婚・職場結婚の衰退

http://www.jil.go.jp/institute/zassi/200501/200501a.htm

過去 30年間における初婚率の低下量を要因分解したところ、低下分の約5割が「見合い結婚(親せき・上役の紹介を含む)」の減少によって、4割近くが「職場や仕事の関係で」の結婚(職縁結婚)の減少によって説明できることがわかった。


換言すれば「学校で」「友人・きょうだいを通じて」「街なかや旅行で」といった、そのほかの恋愛結婚の未婚者に対する発生確率は、この40年間ほとんど変わっていない。


かつての企業社会が果たしていたマッチング・メーカーという役割は、その後どこにも引き継がれないまま縮小に向かっている。一方、企業に勤めるほとんどの独身男女が、従来通りの長時間勤務であり、職縁結婚の減少を埋め合わせるほどの新たな出会いの場が開拓されてきた気配はない。こうした事情は、かつてなら職縁結婚や見合い結婚の機会に恵まれていたはずの大企業勤務の事務職や官公庁勤務層において、より大きな影響を与えている可能性が高い。