教育費

 昨年春に首都圏の私大に合格した子どもに仕送りした親の教育費は年収の3分の1――。東京地区私立大学教職員組合連合(委員長・斎藤道彦中央大教授)が2日発表した家計負担調査でこんな実態が浮かび上がった。不況で親の収入が減少しており、「貯金を取り崩している」など切実な声が上がった。


 調査は昨年5〜6月に1都4県(神奈川、埼玉、千葉、栃木)の23大学・短大の新入生を対象に実施した。6017人から回答を得た。


 回答者の47%を占めた自宅外から通学する学生の場合、入学の年にかかる費用は、受験料や入学金、住居費などを合わせて平均309万円だった。親の税込み年収の平均は950万円で、教育費は年収の32.5%を占めている。


 費用は、ピークだった94年の328万円からは減少しているが、仕送りを当時の月額12万4900円から10万5000円に抑えたためで、学費は横ばいだ。家賃を除くと学生の1日あたりの生活費は1450円となり、調査を始めた86年以来、最低となった。平均年収は前年より50万円減少した。教育費を工面するために借金をした家庭は全体の22%を占めたという。


 アンケートの自由記述には「有名私大に合格したが、自宅から通えず、経済的な理由で入学を断念させた」という親の声もあった。 (03/02 19:25)


http://www.asahi.com/national/update/0302/TKY200503020280.html