何とかする力

司法試験のカリスマ講師として知られる伊藤真氏は、大学在学中に最初に司法試験に挑戦して失敗した時「量をこなす勉強では、いつまでも知らない問題に対処できない」と悟ったとう。つまり「勉強して知っていることを増やそうとしても知らない問題は次々と現れるために追いつかない」ということであす。そこで伊藤は、視点を変え、知らない問題に対処するための独自の方法論を編み出していったという。


「知らない問題に如何に対処するか」は、ビジネスの場面でも非常に重要であり、この力があるかないかで差がつくと考えられる。これは「何とかする力」と言い換えることもできよう。「何とかする力」は、答えが見えないとき、どうやっていいかわからないような難解な状況でも、前に進んでなんとかやりとげる力である。


先の見通しが見えているときに、分担された役割をきちんとこなしていく力は多くの人が持っている。しかし「何とかする力」を持っている人物は希少である。どうしようもない状況に陥ってしまったときに「あいつに頼むしかない」「あいつなら何とかしてくれそうだ」と思われるような、頼りになる人物なのである。