悪文を検出する方法

阿部(2009)は、文章力をつけるための基本について、いろいろと紹介しているが、これは、文章自体が悪文かどうかを検出するためにも有効だと思われる。あるいは、なんとなくおかしい文章だと思ったときに、どこが間違っているのかがわかる。


そのポイントの1つは、「特定の文について、できるだけシンプルなかたちに肉をそぎ落とし、骨の部分だけを見る(その文の構造を見る)」ことである。そうすると、例えば、文の前半と後半がかみ合っていない(例、主語と述語が対応していない)、論理的に首尾一貫していない(例、前半と後半が矛盾する)、「てにおは」の使い方が不適切である、因果関係が逆になっている、宙に浮いた言葉がある(例、その部分が、どこにもつながらない)といった点が見抜ける。


このことから、文章の直し方もわかる。上記と同様に、文章をもっともシンプルな文に分解してしまい、その文が明快になるようにする。その文自体がよくわからない場合、書き手が、何を言いたいことがわからないまま書いた可能性がある。シンプルな文が明快になったら、その形をくずさないように、肉付けをしなおせばよいのである。