創造をシステム化する思考法

中尾(2009)によると、創造は「何をやりたいのか」という具体的な目的を決めることから始まる。創造の思考過程を簡単に言えば、「思いを言葉に、言葉を形に、形をモノに」だという。まず、漠然とした思いが言葉に変わることによって、要求機能、設計仕様、目的すなわち「何をしたいか」が明確になる。そして、言葉が形になるとは、「何をつくるのか」の設計解が導かれることである。さらに、曖昧な設計解を、具体的な「アクションプラン」「実行案」「詳細図面」に変換することが、形をモノにするということである。


したがって、創造活動のためには、まずは夢を言葉にする。ただし、中尾は、目的を定量的に定める。目的を持って創造するためには、生きる力が必要だと言う。エネルギーレベルを、高潮のように全体の水面を高くするのが難しければ、せめて寄せては返す波の最大の高さをできるだけ高くすることが大事だと言うのである。学者でも芸術家でも、人生の波頭で偉大な発見や作品を創出し、その他の時期はフヌケのように平凡な生活をしていたりするのだそうだ。