人間関係のちょっとした悪戯

気配を消して相手の隙を衝く

桜井(2009)は、気配を消して相手の隙を突く遊びを子供のころに覚えたという。どんな人であっても、どこかに隙があるものである。観察力を駆使して、その人の隙を見つけたならば、すっと気配を消して、隙を衝く。つまり、見えるものが見えなくなるタイミングを衝くのである。パーティ会場などで気配を消して、相手に近づいて脅かしたりする。

嫌な人を使いこなす

岡野(2008)は、イヤな人、嫌いな人とは距離をおいたり、付き合わないというのではなく、うまく利用するテクニックを紹介している。つまり、例えば詐欺師まがいで信用できないような人など、自分がまともにつきあいたくない人がいるとすると、そういう人を、自分が普段から腹が立つような人に紹介するのである。

どんな強敵にもアキレス腱がある

岡野(2008)は、どんな強敵にもアキレス腱、すなわち弱点があるので、そこを見つけ、そこを衝くことの重要性を説く。攻めどころを間違えなければ強敵にも勝てるということである。例えば、零細企業が大企業を相手にする場合でも、技術では隙がないと思われる大企業でも、弱点があり、そこをうまく見つけて対応策を提示すれば、こちらが上手に出る商売になりうるのである。


ちなみに、著者らの処世術に関するいくつかのコメントも興味深い。

変わり者って言われるような人間じゃなきゃダメなんだ。変わっているから、人と違う発想ができるのだし、人と違うものがつくれるんだよ(岡野 2008:89)。

私が子供時代に「たまらなく好きだ」と思った大人・・・その人は、「なにかあったらやるだろうな」という雰囲気を醸し出していた。なにかあったときに、体を張って対処できる風格を漂わせていた(桜井2009:71-72)。