伸び


人間はひとりひとり、もって生まれた特徴や能力が異なる。それは事実であろう。そういう意味では、誰もが一流になれるわけではないかもしれない。他者との比較においては、優劣というのは存在するだろう。


しかし、一番大切なことは、他者との比較ではなく、本人との(時間軸における)比較、もっと平たくいえば、伸びである。


つまり、自分の持っている才能、ポテンシャルを最大限に活かしきって、開花させることができるか、それによって、自分自身が大きく成長し、伸び、生き生きとした毎日が送れるかどうかが最も重要なことだと思う。


人よりも優れているか、トップの集団に入ったかどうか、ではなく、自分としてどれだけ伸びたか、しかも、自分のよいところ、もてる力を伸ばしきったかが、成功したかどうかを判断する基準なのではないだろうか。能力が高い人でも、自分のポテンシャルを出し切っていなければ、それは成功とはいえないのではないだろうか。


そこで、一番大事だと思われるのが、成長や伸びることに対する喜びの感覚であろう。いままでできなかったことができるようになる、上達する、うまくなる、そういうことに対する幸福感。うまくなる、上達すれば、がぜんその課題そのものが面白くなる。面白くなるから熱中する。熱中するから集中力が高まり、さらに上達する、という好循環が生まれるのである。


これを実現するのは、本人のセルフマネジメントの問題と、本人を育成する側が、いかにして成長の喜びを実感させてあげるかという問題の2つがあろう。特に後者は、褒め上手というスキルと結びついているだろう。