藤原和博 公立中学校の逆襲!

http://www.webvision.jp/special/specialist/20041210/

学校の中にいる人はそれを資源だと意識していなくても、外から見るとすごい資源だと思えるものが、学校にはたくさんあります。

たとえば、学校には5,000坪の敷地があり、緑の管理は用務の人1人では、とてもできません。でも、ガーデニング好きで、マンション暮らしで思いどおりにガーデニングを楽しめない方に「学校の花壇をお任せます」と言ったら、それは喜んでやってくれるわけです。自分の好きなことを思いきりできて、生徒たちも喜んでくれて、しかもそこに自分の子どもが通っている……。一石二鳥どころか、トライアングルハッピーですよ。


[よのなか]科に来ていただく講師の方々も、無償のボランティアでお願いしていますが、中学生の生徒たちと触れて得るものが大きいから、喜んで引き受けてくださる。そんなことが、学校の中にはいっぱいあるわけです。

学校の何を資源としてとらえ、価値として認めるのか? それを学校の外の人たちと「等価交換」していくわけです。保護者も地域の人たちも宝の山です。でも、学校でさまざまなことが起こっていないと、そういう人たちから来てくれることもないし、発見することもできません。


合理的な反論ではなく、感情的な反発はありました。でも、「そのままにしておくことが、子どもたちの未来を開くのか?」という問いかけで、私は勝負してきました。実際やってみたら、生徒たちが喜んだり、刺激を受けたりということが実証されていくわけです。当然、保護者も喜びます。

ビジネスマンならではの視点、などとよく言われますが、1人の父親として、息子や娘がこの学校にいたら絶対放っておくはずがない、という判断をしてきているだけ。保護者や地域と連携して、今の子どもたちの学びが豊かになることが何より大事でしょう。

私の任期は3年です。残りの期間で、先生方の授業改善と、「地域本部」の学校改善が相まって、私立を超えた公立校が誕生することになるでしょう。また公立校には、それだけの可能性があるのです。


http://books.yahoo.co.jp/interview/detail/31427105/02.html

――本を読んで、とくに印象的なのが、いい公立学校は地域に支えられているというポリシーをもって、地域の人々を巻き込んでいることでした。和田中のなかに「地域本部」を設置したそうですね。


「これまでの公立中は文部科学省のサービスのデリバリー拠点でした。でも、これからはそれぞれの学校が地域の人と連携協力して、特色ある学校作りをしていく時代。いい学校があれば、そこに通わせたい家族も引っ越してくる。地域も安定して、少なくとも地価が下げ止まります。地域も活性化して、結果として経済的にうるおう。具体的には家賃収入がきちっと入るとか。そのために地域の人にお金も時間も労力も提供してもらう必要があります。
 そう考えて『和田コミュニティ教育基金』を立ち上げました。僕の原稿料や講演料、テレビの出演料などを寄付することから始めています。『地域本部』は保護者が中心ですが、地域にはやってくれる人はたくさんいます。地域の人材をどう掘り起こすかなんです。じっさい校内の緑化振興をしてくれる人もいれば、生徒の総合学習のために車一台解体するのを全面協力してくれた人もいました。どちらかというと職人系の人は、声をかけると『待ってました』とばかりやってくれますね。高齢社会になって地域社会が弱体化したからこそ、地域を学校が取り込んで、昔のオジさんやオバさんとの“ナナメの関係”を作っていくことが大事なんです」


http://www.manabinoba.com/index.cfm/4,2137,32,html?year=2002

10年前から教え方に変化のない教師が教壇に立つのはマズイですから。これだけ世の中が激しく変化しているのに、5年前、10年前と同じ考え方をしていたら世の中についていけません。教育の世界だけが不変というわけにはいかない。古い知識だけを詰め込んで、最新の情報を持たない人が教えるのは厳しいと思います。


 やる気のない大人、向上心のない大人、好奇心のない大人。これらは普通の企業にもいます。ただ、対するのが大人であれば、その人を選ばない、という選択ができます。しかし、子どもは教師を選べません。そういう人には子どもの前に立って欲しくないのです。優秀な人材で固めようというのではありません。最低限、やる気や向上心、好奇心は持っていてほしい。知らないことがあってもいいのです。もしも子どもにわからないことを聞かれたら、一緒に調べればいいのですから。


http://www.unisys.co.jp/club/prefatory/022/

いい学校ってどんな学校でしょう?
 私は「子供たちの未来」のために進化し続ける学校だと思います。そのためには、そこに集う先生や地域の大人たちに日々改善の意欲があり、子供とともに進化することが必要です。入れ物は関係ありません。外見ではなく教育の中身が常により豊かに変化しつづける学校は、子供たちを刺激し、動機づけ、イマジネーションを育みます。