グラビアアイドルに学ぶキャリア戦略

不確実性の高い現代では、自分のキャリアについても、計画をしっかり立ててその通り実行するというやり方は適さない。むしろ、環境の変化をうまく泳ぎつづけるために、状況を見て舵を切るための選択肢を複数もつように工夫することが重要ではないだろうか。もちろん、その選択肢は自分の進んでいく大まかな道筋とあまりにもかけはなれていない必要があるし、そうでないと、本業をこなしながら、新しい選択肢を増やすための能力や経験を身につける機会を得ることも難しい。けれども、長い目で見れば、その積み重ねが自分のキャリアを大きく転回していく可能性もつくっていくだろう。
山田真哉さんの「食い逃げされてもバイトは雇うな」なんて大間違い、という本の中に、以下のようなとてもわかりやすい記述があります。

彼女(注:グラビアアイドル)たちは、ビジネス界以上に変化の激しい芸能界に置いて、自分が生き残るためにうまくカードを増やし、切っています。グラビアの世界は超過当競争です。ちょっと人気が出たからといってボーッとしていては、すぐにつぎの若い世代にとってかわられます。似たり寄ったりの人材はいくらでもいるのです。
そこで、まだ水着で雑誌のグラビアを飾っているうちから、話術を磨いたり、演技の勉強をしたりして手持ちのカードを増やし、いざテレビ出演などのチャンスが訪れたときに、そのカードを切ってみせるのです。
バラエティ番組にパッと出てきたグラビアアイドルが、いつの間にか司会業をきっちりとこなしていたり、女優に転身してブレイクしたりするのはよくあることです。
もちろん偶然の要素もあるでしょうが、彼女らは「司会ができる」「演義がうまい」「ツッコミが芸人並み」「ブログを日々更新」「ゴルフを極めようとする」など、グラビア以外のカードをうまく切ったからこそ成功しているのだと思います。