キャリアに生かす数学思考

ビジネスやキャリアにおいて、創造すること、創造力は重要であるが、創造力をつけるとは、「問題を解決するために何かよいアイデアはないか」とねばり強く試行錯誤して、解決に至る道筋をあきらめずに考え抜く力をつけることであ。数学は、与えられた条件のもとでいろいろと「考えること」を学ぶものであり、まさにそのトレーニングとなる。いま日本人にもとめられているのは、「ねがり強く考える」ことと「論理的にきちんと説明する」ことである(芳沢 2005)。


創造力と「ひらめき」は切っても切れない関係にある。偶然性がよく強調されるひらめきについても、実際のところは、さんざん考え抜いた蓄積のほんの少し上に、ふっと気がつく一瞬のことを言うようである。日頃から特段の試行錯誤をして考え抜いているからこそ、偶然起こる小さいけれども決定的な刺激が与えられたときに、それが大きな発見や発明を引き起こすのだろう(芳沢 2005)。


これらの力を磨くためには、理科や数学が好きになること、すなわち、「物事に興味や問題意識を持ち、原理原則を学び、視点を変えたり、論理的に考える作業が楽しい」と思うことが大切である。