キャリア論の本質2


キャリアデザインの本質1
http://d.hatena.ne.jp/sekiguchizemi/20060530


キャリアデザインの本質が、処世術であるとはいっても、もちろん、自分にあった職業、自分にできる仕事は何かといったテクニカルな部分を無視できるわけではない。


大切なのは、確かに人間として自分が生き抜くために行うことについては、その選択肢に限界があろうが、それをむやみやたらに狭めてしまう必要もないということだ。


たとえば自分の人格が明日にはまったく別人のようになるということがありえないのと同様に、いま自分が職業として取り組んでいる仕事とまったく異なる仕事を次にやるなんてことは無茶であるし、それは若いうちはできるかもしれないが、ある程度年齢が進んでいる場合には相当難しい。


それではどうすればよいのか。今やっている職業や仕事の枠に縛られて自分自身を制約しすぎず、またまったくの別人になってしまうような非現実的なビジョンを避けるためには、常に短期的・長期的両方の面で先読みをしながら、あらかじめ将来をにらんで少しずつ自分を変化させたり、柔軟性や選択肢を広げる努力をするということだろう。


急にはまったく違う仕事に変われないにしても、徐々に変身しながら、違う仕事に就くということは可能である。船はそう簡単にまったく別の方向に回転したりすることは不可能であるが、徐々に方向転換していけば180度変えることだって不可能ではない。それと同じで、たとえば実験的にいまとは違う仕事にトライしてみるとか、いままで身に着けていないことを少しずつ学んでみるとか、いまの仕事とはまったく関係ないことでも、少しずつ無理なく行っていけば、継続は力なりという言葉ば示すとおり、先読みしたとおりの将来になったときに、「生き抜く」ためにうまく方向転換できている可能性が高いのだと思われる。