横断歩道、歩行者、車

大阪の道で、横断歩道を渡ろうとしても、車は、減速はおろか、止まってくれたこともない。まるで歩行者と柱などの物体との区別がないかのように、まったく平気で次々と車は通り過ぎる。明らかに車が一番偉く、歩行者は二の次である。違和感を感じて調べてみるとやっぱり、法律を守っている車はほとんどないような気がする。このまま横断歩道を渡りはじめようかと思うことすらある。そんなことしたら事故にあうか、ドライバーから猛烈に怒鳴られるだろう。が、はねられたとしてもこちらは全然悪くないし、怒鳴られる筋合いは全くないのである。怪我したくないのでそんなことはしないが。


こう思うのは、シアトルにずっと住んでいたからだろう。シアトルでは、歩行者が横断歩道の前に立ち止まるだけで、車はぴたっと止まる。それはあたりまえで、そもそも歩行者がいるような路地では車は徐行である。車がスピードを出すのはフリーウェイや幹線道路であって、そこでは歩道と車は完全に分離している。歩行者と車が至近距離になるような道で、車がスピードを出して通り過ぎるなんてありえない。もちろん、これは土地が広く、車社会を前提として作られた町であるため運転が快適で、かつ人々がのんびりしていておおらかであるからだともいえる。裏を返せば、日本の都会での運転手のマナーが悪くなる原因もわからなくはない。土地も狭く、道も狭く、曲がりくねっており、人々は忙しいから、心も狭くなってしまうのだろう。

道交法第38条(横断歩道等における歩行者等の優先)の第1項は、こう規定している。


車両等は、横断歩道又は自転車通行帯(以下この条において「横断歩道等」という。)に接近する場合には、当該横断歩道等を通過する際に当該横断歩道等によりその進路の前方を横断しようとする歩行者又は自転車(以下この条において「歩行者等」という)がないことが明らかな場合を除き、当該横断歩道等の直前(道路標識等が設けられているときは、その停止線の直前。以下この項において同じ。)で停止することができるような速度で進行しなければならない。この場合において、横断歩道等によりその進路の前方を横断し、又は横断しようとする歩行者等があるときは、当該横断歩道等の直前で一時停止し、かつ、その通行を妨げないようにしなければならない。


http://www008.upp.so-net.ne.jp/ko-tu-ihan/FAQ/ihan-hokousya-bougai.htm

歩行者がいるかいないか確認できないとき、もしくは「渡りたい」のか「ただそこに立っているだけ」か分からない場合はスピードを少し落としていつでも止まれる準備をします。


減速徐行義務が道交法38条で規定されているので法律上も「横断歩道に歩行者が突然飛び出した」という言い訳は通用しません。


http://www.geocities.co.jp/MotorCity-Rally/4099/a7.html